「W.O.」と呼ばれることを好んだベントレー モーターズの創業者ウォルター・オーウェン・ベントレーは、1888年に9人兄弟の末っ子として誕生しました。
少年時代は蒸気機関車へのあこがれが強く、16歳で学校を卒業するとグレートノーザン鉄道で見習いとして働き始めましたが、5年間の見習い期間を終える頃には、W.O.の関心は自動車へと移っていました。
そんなW.O.は1912年、兄と共にフランスのDFPが製造するクルマの輸入ビジネスを行うことになりました。
そこで目にしたのが、アルミ製のペーパーウェイト、この軽量素材をエンジンのピストンに使用すれば、素晴らしいクルマが作れるのではないか―。
そう考えたW.O.は研究に研究を重ね、アルミ88%、銅12%という配合にたどり着きました。
この新しい合金製ピストンをDFPのクルマに取り付けたところ、ブルックランズ・サーキットでのレースで勝利したのです。
第一次世界大戦中は、W.O.はアルミ製ピストンの技術を航空機エンジンに転用、この成功が、1919年のベントレー モーターズ設立へとつながっていくのです。
DFPのオフィスで見つけたのは、まさに「運命のペーパーウェイト」でした。
![WO bentley at start line of race](img/img_01.jpg)
![WO Bentley racing DFP](img/img_02.jpg)
![Bentley rotary engine](img/img_03.jpg)
![WO in DFP](img/img_04.jpg)
![clement and duff le mans](img/img_05.jpg)
![bentley 8 litre](img/img_06.jpg)