フライングスパー スピードエディション12のエンジンは、ベントレーの伝説そのものです。このエンジンが初めて採用されたのは、2003年にデビューした初代コンチネンタルGTでした。それ以来、このエンジンはベントレー ブランドのDNAの重要な一部となり、近年のベントレーを運転したことがある人、あるいはベントレーに憧れた人にとって、大きな意味を持つ存在となりました。

創業者W.O.ベントレーは、「よりパワフルで、より速い車を作るには、より大きくてより優れた設計のエンジンを作ることだ」との信念を持っていました。この哲学が、フライングスパーをはじめとするW12エンジン搭載のベントレーを次々と世に送り出す原動力となったのです。実際のところ、この20年間でW12エンジンは、ベントレーのファンドライビング重視のモデルに継続的に採用されてきました。このエンジンがなければ、フライングスパー スピードのような画期的なパフォーマンスのベンチマークを打ち立てることもできなかったと考えられます。

ベントレーは、今なおW12エンジン搭載の市販車を製造する唯一のメーカーであり、エンジンは1台ずつ、英国・クルーにあるベントレーの工場で熟練の職人によって手作業で組み立てられています。

フライングスパー スピードエディション12は、地球上で最も速く、最もパワフルな4ドアセダンの1台であり、この驚異的なエンジンが敬意を表される理由の1つでもあります。最高速度は時速207マイル（333km/h）に達し、わずか3.7秒で静止状態から時速60マイルまで加速（0-100km/h加速は3.8秒）するパワーは、最高出力626bhp（635PS）、最大トルク900Nmを発揮するこのエンジンがあるからこそ実現できました。しかしながら、このパワーを発揮するうえでは責任も伴います。これに対してベントレーが出した答えが、気筒休止機構でした。この機能は、低速走行時などでは12本のシリンダーのうち6本を停止させ、燃費を高めて排出ガスを削減します。

CUTTING-EDGE DRIVING TECHNOLOGY

伝説的なエンジンを搭載していながら、この車のパフォーマンスにはさらなる魅力があります。アダプティブAWD（全輪駆動）だけでなく、AWS（全輪操舵）も装備しているため、低速走行時には回転半径がより小さくなり、高速道路などでは追い越し時の車線変更をスムーズで安定したものにします。ベントレーの画期的なアンチロールシステムであるベントレーダイナミックライドは常に車体を安定させ、巡航時の快適性を損なうことなくコーナリング時の操作性を高めます。一方で、エグゾースシステムにはアダプティブバルブコントロールを採用。コンフォートモードでは洗練されたサウンドを、スポーツモードではよりスリリングに咆哮します。他のW12エンジン搭載のベントレーと同様に、この車は信じられないほどのパワーを自由自在に操れるモデルです。このパワーをいつ、どのように使うかは、皆様次第です。

フライングスパー スピードエディション12は、フライングスパー スピードの洗練されたデザインをベースに、ベントレーの象徴であるW12エンジンの重要性を際立たせる現代的なエクステリアデザインを採用しています。

まず、フロントドア下部に組み込まれたLEDウェルカムランプが「Edition 12」ロゴを地面に投影し、暗い場所での乗降時に足元を照らします。車両後方に目を移すと、Dピラーに「Edition 12」バッジが装着され、堂々たる22インチSpeed専用ホイールのスポークからは、シルバーのブレーキキャリパーが存在感を放っています。ホイール中央には、走行時でも「B」の文字が直立するセルフレベリングホイールバッジが取り付けられています。

フライングスパー スピードエディション12のボディカラーは、エディション12のために作られた新色のオパライトをはじめ、豊富なバリエーションからお選びいただけます。いわゆる灰緑色のオパライトは、光が当たるまではソリッドカラーに見えますが、光が当たるとほのかに銅の色合いが浮かび上がります。

長く滑らかなボンネットの下には、この車が特別であることを示すモチーフが採用されています。それがエンジン本体に取り付けられた記念プレートで、「Edition 12」ロゴと「1 of 120」というナンバリングが刻まれています。

フライングスパー スピードエディション12のキャビンに足を踏み入れた瞬間から、W12エンジンを記念して作り込まれたクラフトマンシップに包み込まれることになります。最初に目に入るのは、イルミネーテッドアウタートレッドプレートで、暗い場所でのキャビンをドラマチックかつラグジュアリーに演出します。「Edition 12」ロゴ入りインナートレッドプレートを踏み越えて車内に乗り込むと、5色の組み合わせから選べるスピード専用カラースプリットで仕上げられたシートに身を沈めることになります。シートとドアパネルにはプレシジョン・ダイヤモンド・キルティングが採用され、ハンドメイドのラグジュアリー感を演出します。3色の糸がシームレスに混ざり合うオンブレステッチは、シートに視覚的な魅力を加えています。さらに、インテリア全体のデザインを完成させるため、各シートには「Edition 12」ロゴの刺繍が施されています。

フェイシアパネルをはじめとするパネルにはグランドブラックが採用され、ビスポークで仕上げられたディテールを際立たせるリッチでダークな背景として機能しています。ディテールの一例では、エアコン吹き出し口の開閉に使用されるオルガンストップコントロールは、無垢の真鍮から削り出され、表面に「12」という数字が刻印されています。助手席側のフェイシアパネルには、「Edition 12」ロゴのほか、エンジンのシリンダーの点火順序を示すメタルオーバーレイが施されています。エンジン内で起きているシリンダーの点火順序は、前席に座る人にとって魅力的な話題となることでしょう。